業界スコープ

笹子トンネルの崩落事故について

既にマスコミ報道などでご存じかと思いますが、12月2日朝、中央自動車道の
笹子トンネル内で重さ1.3tのコンクリート板が落下し、9名の方がお亡くなり
になる事故がありました。
この事故について編集部では原因を精査しておりましたが、様々な問題が
あるような気がしております。

1.固定方法での問題
報道を見ておりますとH鋼3本をケミカルアンカーだけでつり下げる構造では
強度が足りないのは誰が見てもお分かり頂けるかと思います。
snap_gyokaiscoop_2012122101955.jpg
報道で言われている構造(筆者作図)

一番力がかかる箇所がケミカルアンカーで止まっているだけですので、
経年変化やコンクリートの伸縮を考えた場合不安定であるのは言うまでも
ありません。

筆者の補強策案(筆者作図)

本来であれば筆者の案のように3点吊りの構造で数メートルおきに
図のような補強吊りとあわせてコンクリート板をH鋼で共止めし、
端側の受けにはプレートを溶接して側面も固定しておけば今回の
ような事故は防げたのではと思います。
そしてケミカルアンカーも左右2個では強度不足ですので、
大きめのプレートを溶接して4個以上で止めるべきだったのではと
思います。

2.ケミカルアンカーの問題
本来、ケミカルアンカーは床面及び側面に施行するのが一般ですが、
天面に使用したことが問題であった事も否めません。
どうしてかと言いますと、天面の場合、薬剤が重力の法則で上から下へ
落ちる作用が起きるため、完全に接着しきれない可能性が考えられる
からであります。
例え某社の注入型であっても長期(30年超)の使用となると経年変化もあり、
耐久性についても疑問が残るのも事実です。
今回はトンネルでの事故ですが、一般建築現場においてもケミカル
アンカーの施行を巡る問題は起きているのは事実です。
それはと言いますと、アンカーの施行をする人の資格関係が国が定める
技能講習特別教育等法的な定めがない状態で一人歩きしている
のが現状であります。
一部で資格と称して資格証を発行している機関やメーカーもありますが、
所属している会社を退職すると資格が消失するというおかしげな問題も
あり、施行をする人のスキル関係があいまいになっているのも事実で
あります
※筆者も某社であと施行アンカーの講習を受けましたが、所属していた
 会社を退職したため資格証の効力が現在、失効した状態であります。


これらの問題を精査してみますと、今回のトンネル事故は天災ではなく、
人災だったような気がしてなりません。
道路を管理している中日本高速と所管である国土交通省にはこれらの点を
踏まえて考えて頂き、二度とこのような事故が起きないように対策をして
頂きたいかと思います。



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2012/12/18(火) | 社会・ニュース | トラックバック(0) | コメント(0)

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